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PET樹脂コラム

2022.01.10

PETボトルのリサイクル「ボトルtoボトル」

PETボトルは1960年代後半にアメリカで開発され、日本で採用されたのは1970年代後半のことで、いまではすっかり日常生活になくてはならないPETボトル。限りある資源を有効活用するため、資源の回収や廃棄物削減という観点から、使用済みPETボトルを再利用する循環型リサイクルの意識が高まり、処理体制の強化が急務とされています。弊社ツカサペトコも、リサイクルで新しい世界へと取り組んでいます。
今回は、食品用で使用したPETボトルを、再び食品や飲料用途に再利用するシステムの「ボトルtoボトル」について、製品化の方法を解説します。
(※食品・飲料の使用済みPETボトルを原料化して、新たな食品用PETボトルに再利用すること。同じボトルを再び使用するリユースは含みません。)

ケミカルリサイクル(化学的再生法)とメカニカルリサイクル(物理的再生法)

Chemical recycling,Mechanical recycling

日本で実用化されている「ボトルtoボトル」にはケミカルリサイクル(化学的再生法)とメカニカルリサイクル(物理的再生法)があります。どちらも、使用済みPETボトルから再生フレークをつくるまでは従来のマテリアルリサイクルと同じです。その後、2つの再生法に分かれます。

ケミカルリサイクル
(化学的再生法)

使用済みの回収されたPETボトルを選別し、粉砕、洗浄して異物を除去。その後、解重合を行いPET樹脂の原料まで分解、精製したものを重合して新たなPET樹脂にするもの。特徴は解重合/再重合の間に異物、異種材質が取り除かれ、バージン樹脂と同等に品質の高いPET樹脂に再生できることです。

ケミカルリサイクル代表例フロー
メカニカルリサイクル
(物理的再生法)

回収された使用済みPETボトルを選別、粉砕、洗浄して表面の汚れや異物を十分に取り除き、高温下に曝して、樹脂内部に留まっている汚染物質を拡散させ除染を行う方法。ケミカルリサイクルに比べると、メカニカルリサイクルは大掛かりな分解設備や重合設備を使わないため、製造コストや環境負荷が低いと言われています。

メカニカルリサイクル代表例フロー

「ボトルtoボトル」の切り札、「指定PETボトル」

ペットボトルは高耐久性で、しかもリサイクルしやすい素材。
「ボトルtoボトル」でペットボトルに再加工すれば、
再資源化が実現でき、循環型社会の形成のために大きな役割を果たします。

PETボトルがリサイクルされ、品質の良い新たな再生品として生まれかわるには、PETボトルに付着した内容品の残留物や臭いを除去することが必要になります。そのため、容器包装リサイクル法により、「指定PETボトル」の対象には水洗浄が容易な内容品が選ばれ、「指定PETボトル」以外のPETボトルは「その他のプラスチック製容器包装」として分けてリサイクルされます。
国は使用済みPETボトル単独のリサイクルに支障のない内容物を充填したPETボトルを指定表示製品(PETボトル)として指定し「PETボトルの識別表示マーク」の使用を義務づけ、循環型の社会形成推進を進めています。

「ボトルtoボトル」の切り札、「指定PETボトル」

指定PETボトルの分類

指定PETボトルには、飲料の他にしょうゆなどの容器も含まれます。

飲料 清涼飲料 茶系飲料、炭酸飲料、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、コーヒー、コーヒー飲料など
果汁飲料 フルーツジュース、野菜ジュースなど
酒類 焼酎、本みりん、洋酒、清酒など
牛乳・乳飲料 等 ドリンクタイプのはっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料など
特定調味料
(品目拡大)
しょうゆ
しょうゆ加工品 めんつゆなど
アルコール発酵調味料
みりん風調味料
食酢
調味酢
ドレッシングタイプ調味料 ノンオイルドレッシングなど

参考・出典:「PETボトルリサイクル推進協議会」

なお、食用油脂やオイルを含むドレッシング、香辛料が多く含まれたソース、焼肉のたれ等、使用後の汚れ除去が難しいことから、
こうした非食品用途全般のPETボトルは「指定PETボトル」ではなく「その他プラスチック製容器包装」の分類となります。

まとめ
飲料の容器として大量に使われるようになったPETボトルは、日本に登場して以来40数年が経ちました。リサイクルが始まったのは1995年、容器包装リサイクル法が2000年に施行されて再資源化の対象となり、PETボトルの回収率が一気に進んだといえるでしょう。ある大手飲料メーカーは、2030年までに「ボトルtoボトル」使用率50~90%の計画 を発表していますが、ゴミの減量化には多くの課題を残していることから、樹脂を扱う我々ツカサペトコとしても、できることから取り組んでいきたいと考えています。
この記事を書いた人
森田英資PET樹脂と化学品をとおして地球環境とお客様に貢献する、株式会社ツカサペトコ代表取締役
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